2011/03/26

Basel/バーゼルぶらぶら

バーゼル駅
麗らかな春らしい朝、遠出をしたくなってスイスのBasel/バーゼルへ電車で出かけた。Mulhouse/ミュルーズから電車で20分。スイスはEUでもユーロ圏でもないからパスポートを忘れてはいけない。以前はスイスに入った辺りからパスポートコントロールが回って来て、何でもないのにコントロールの鋭い目に緊張したものだが、2008年よりスイスのシェンゲン協定(ヨーロッパの国家間において国境審査なしに国境を越えることを許可する協定)加盟によりなくなったそうだ。あっけなくバーゼル駅に着いてしまった。フランス語でBâle/バールというがドイツ語でBasel/バーゼル。ジュネーヴ、チューリッヒに継ぐスイス第3の都市で、ドイツ語圏になる。製薬会社のノヴァルティスやロシェの本社があり、製薬業の世界的中心都市である他、メッセ(展示会場)では毎年春に開催される世界最大規模の時計見本市が有名だ。駅の周辺にはホテルも多い。駅から街の中心まで徒歩15分。トラム(路面電車)を使うことも出来る。ライン川が街の中心を流れていて、北のKleinbasel/小バーゼルと南のGrossbasel/大バーゼルに分かれ、私立美術館、人形博物館、市庁舎、古い街並みなど観光の見所は大バーゼル側に多い。

Barfüsserplatz/バルフュッサープラッツというトラム駅の前の広場では、蚤の市が開かれていた。11月末から12月にかけてはクリスマスマーケットが開かれる場所でもある。何でもありのガラクタが所狭しと並んでいるが、特に買うようなものはない。売るほうも長いすを広げて、ぽかぽか日向ぼっこをしながらサンドイッチをかじっている。商売っ気などまるでない。
広場のすぐ近くには人形博物館がある。入ったことはないが、ウィンドーに飾られた西洋人形やテディベアのぬいぐるみが可愛らしい。ちょうど日本の着物特別展の期間で、ビルを見上げると、スイスの青空に日本の着物がはためいていた。粋な宣伝だ。バーゼルには日本人も多く住んでいると聞いたことがある。

更に下っていくと、豪華絢爛な市庁舎が見えてくる。大きな時計塔と壁面のフレスコ画が特徴的なゴシック様式の建物だ。1501年にバーゼル市がスイス連邦に加盟したのをきっかけとして、1504年~1514年にかけて建てられた。時計塔は19世紀末~20世紀初に増築されたものらしい。市庁舎に面したMarktplatz/マルクトプラッツ広場では、通常のマーケットの日で野菜や果物、チーズ、オリーブが並ぶ。中でもキノコ店が珍しかった。何処からがソーゼージの焼ける美味しそうな臭いも・・・食欲を誘われる。


マルクトプラッツから歩いて数分、ライン川にかかった大橋に突き当たる。
この橋から向こう側が小バーゼルだ。ライン川沿いにはずらりとホテルが立ち並び、季節がよくなるとテラスは人でいっぱいになる。ライン川はスイスの山奥が源泉で、バーゼルを経て、フランスのアルザス、ドイツを流れ、オランダのロッテルダムで海に合流する大河だ。
橋から見えるところには渡し舟もあり、高いロープに沿って小さな船が岸を行ったり来たりしている。片道1スイスフラン。交通手段というよりは観光として、ライン川を船で渡るのも面白い。

 
左 上流側
 建ち並ぶ
 ホテル

右 下流側
  渡し舟



最後に私立劇場の前庭の噴水を訪れた。この噴水はスイス出身の芸術家タンゲリーによるもので、バーゼルの謝肉祭(Fasnacht)を題材としている。Jean Tinguely/ジャン・タンゲリー(1925~1991)は1960年、ニューヨークの近代美術館で展示された「ニューヨークへのオマージュ」で一躍国際的な名声を得た。小バーゼル地区にはタンゲリー美術館もある。
壊れた自転車や銅管、鉄板、あらゆる大型ゴミが動く彫刻の材料となっている。もともと社会がどれだけの粗大ゴミを出しているかに注目したところから、彼の芸術が始まった。それを知って見ると、何これ芸術もその面白さが見えてくる。


バーゼルは特別な名所のある観光地ではないが、古いスイスの街並みが残されていて、穏かで治安も良い。ぶらぶら歩いて小さな通りを発見したり、人々の日常を垣間見たりが楽しい街だ。

2 件のコメント:

  1.  思い立ったら、吉日!!行動派のやぎさん
    羨ましいな~なんせヨーロッパだもん!!

    ライン川で懐かしい旅の想い出(;一_一)
    まだ勤めてるころ、亡母とロマンチック街道へ行きました。
    この街道はドイツの旅行街道の中でもっとも愛され、
    良く知られている街道らしいですね。長さ350km

     よくご存知のやぎさんを差し置いてとらが云うのも(._.)

    マイン川沿いのフランケン地方のブドウ畑を通り、
    アルプスの山まで続いていて、ヴュルツブルクからフュッセンまでの夢のようなルート。
    ローレライもみて、通過時あの唄が流れてました..
    .両側には沢山の古城跡もありました。 
    もううっとり(ーー;)
    ライン観光を満喫して来ましたヨ
    取材のお陰で、想い出が懐かしく蘇って来ましたワ
    ありがとう(*^。^*)

    マイン川は、ライン川に合流してるんですよネー

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  2. 風の吹くまま気の向くまま、まるで寅さんのようなヤギですが、ドイツで最も見所のロマンチック街道、まだ行ったことがありません。ではとらさん、あのノイシュヴァンシュタイン城(舌噛まずに言えない)にも行かれたのですね。
    ホンモノはさぞかし美しいことでしょうね!

    ライン川は古城跡が両側に見える、観光された辺りがハイライトらしいです。この前TVでも言ってました。

    ヤギのブツブツがお母様との楽しい素敵な旅を想い出されるきっかけになれて嬉しいです。ウィーンやニュージーランド、ドイツ、次は何処かな?こちらも楽しみです。
    旅はその土地と、同行した人と、そこでの出会いと、いろんなことがいっしょになって作り上げる極上の想い出ですね。

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