そうしたある朝、庭の芝生のあちこちが荒らされているのに気付いた。イノシシの仕業と同じく芝生を土ごとひっくり返されているのだが、イノシシほどダイナミックな大きさではなく、縦横3~4センチほどの大きさ。だがその数は半歩ごとに数え切れないほどで、棒を差し込んだような穴もある。いったい何者だ?
カラスか?鳥にしては穴が大きすぎる。モグラか?土の中から出てきたようすはない。狐か?狐は芝生を荒らさない。栗鼠か?栗鼠は可愛すぎる。鹿か?柵から入って来れない!
恐らくMartre/マルトルだろう。だが、そう言いながら隣人は皆あまり信じていない。マルトルは森の動物だよ。
犯人は誰だ? |
10時ごろ、ふとガラスドア越しに外を見ると5mほど先に動物が芝生を嗅ぎ回ってる。外灯の薄明かりではっきり見えないが猫より少し大きめ、犬より小さい。長いしっぽがふさふさしているようだ。鼻の部分が少し尖がっているようで「あらいぐまラスカル」を思い出した。
「でた~!」人間の気配に気付いたようだが、その動物は慌てる風でもなく、淡々と消え去った。
私の描写から、やはりマルトルだろうということになった。だが厄介な事に予防策がないそうだ。取りあえず柵の隙間を全て石や木で塞ぎ、イノシシ除けの髪の毛をばら撒いた。「でた~!」人間の気配に気付いたようだが、その動物は慌てる風でもなく、淡々と消え去った。
さてMartre/マルトルとは?ふさふさしたしっぽが気になって電子辞書を引いてみた。日本語ではテン、イタチ科の動物だ。
森林に住み、よく木に登るとある。夜行性でネズミ、リス、小鳥、果実などを食べる。毛皮は最高級品とされているらしい。確かに薄暗い中でも毛並みの良さは印象的だった。木に登るということは、柵の隙間をふさいでも無駄ということか。そして何よりも気になったのは、最近、お馴染みリス君たちの姿を見なくなったことだ・・・やられてしまったのだろうか?
案の定、昨晩また入って来たようだ。満月の光に照らされて、芝生の下に何を探しているのか不可解だ。日本ではテンは化けるとも言われているらしい。
「狐七化け、狸八化け、貂(テン)九化け」
何かの化身かしらん?全く別の好奇心が湧いてくる。
何かと物騒がせな春である。
追加)農家の方に知恵をいただき、いただいた犬の毛を撒いてみたところ、来なくなった。
イノシシには人間の髪の毛、テンには犬の毛が効くようだ。
満月の光に照らされた高級動物、ゴージャス!!さすがヨーロッパ・・・は害を蒙ることのない遠い日本からの感想。テンに犬の毛は分かる気がしますが、猪に人間の髪の毛というのは???楽しいアルザス便りです。
返信削除みいちゃんさん
返信削除昨晩またやられました~!
犬の毛も数日しか持たないのかな。ホンモノの犬を飼っているといいのでしょうが・・・。
猪は人間が怖いからかもしれません。
食べられてはカナワヘンワで臭いにも敏感??
えぇーーーーまたまた??芝生以外に被害がありますの?
返信削除ベルリン会議・・へのコメント追加・・日本歴史のところの写真、面白いですね。多分お座敷芸の影絵ですね。なんか粋。
返信削除みいちゃんさん
返信削除数日PCが繋がらず、お返事が遅くなってゴメンナサイ。
テン被害、芝生のみです。どうも土の中の昆虫の卵を狙って来るのではという話です。穴掘り件数は減りました。食べつくしたのかしら??
影絵の写真はバーゼルの人形博物館のウィンドウからです。
着物展示会中だったからですが、とても面白いでしょう。
明治というより江戸ですが、JAPONの粋!
気付いてくださって嬉しいです。