2012/01/08

元気なジャポネーズ

久しぶりに日本で正月を迎えた。「日本のニューイヤーはねぇ、」とヨーロッパで得意そうに言い回っていたが、近年では正月飾りもシンプルになり、元旦から通常通り営業なんてところも多く、初詣に行っても着物姿をほとんど見かけないあっさりしたものである。  それでも年頭にあたり、日頃は「何を今さら」や「わざわざ改めて言わなくても」的な事柄を話題にするのが憚れないのは良い機会だと感じる。いったい日本は、世界はどうなっていくのだろう?そんなことに考えを巡らせるが、正月から暗くなってしまいそうにもなる。日本に来た留学生の「日本になくて、自分の国にあるもの」が「元気」であるという記事を見て、「何を!」と感じつつ、否定できない。個人的にも萎れていく元気を留めるのに必死でやっとなレベルである。

ところがふと目線を移すと、とっても元気な日本人が傍にいた。4歳になる双子の姪っ子達である。休暇に関西からやって来た。日頃は両親が共働きなので保育園に行き、「お仕事」の一言でわがままはストップさせられる。ところがこんな時は両親だけでなく、おじいちゃんもおばあちゃんも叔母までちやほやしてくれるから、もう嬉しくて楽しくて、気分は高まるばかりで天井知らずのようだ。
私は姪っ子達が生まれた時から、何と呼ばせようか楽しみに考えていた。間違っても「おばちゃん」はいけない。ところが2歳の誕生日に送ったぬいぐるみに2人が「ピピちゃん」と名付け、それから私は「ピピちゃんのおねえちゃん」と呼ばれるようになった。初めて聞いたときは絶句した。実はPiPi/ピピとはフランス語でおしっこ、まさか姪から「おしっこのおねえちゃん」と呼ばれるとは夢にも思わなかったからだ。だがその呼び方のあまりのかわいらしさに、今では自ら「おしっこのおねえちゃんですよー」となっている。オババカとはこのことか。

双子とは面白い。全くもって対等な存在であり、いないと寂しいが、いると張り合う。性格が全く違うから、片方がこう言えばもう片方がああ言う。好みも正反対で(好みというより張り合っているだけのようだが)大人は大変だ。それでも「随分喧嘩をしなくなったわねぇ。」と褒められ、みんなでお別れをした直後だった。玄関で靴を履かせようとしていたら、「あっ、新聞」片方が裸足のまま郵便受けへ走り出て、中から新聞を取り出そうとした。
「だめでしょ!」声を張り上げ、すかさずもう一方がとびかかった。それでも何とか新聞を手にした片方に、もう一方が掴み掛かかる。「ルール違反、靴はいてないでしょ、靴、靴、靴!」
新聞を放せと力いっぱいたたいたり、髪を引っ張ったり。実は数日新聞取りはもう一方の特権のようになっていたので、最後に先を越されて頭にきたらしい。だが片方も負けてはいない。女の取っ組み合いが始まった。通常なら「これこれ」ですむのだろうか、その凄まじさに大人は唖然。特に私は框に座った姿勢で、幼児とは言え全身怒りを露わにし、真正面から飛び掛ってくる姿を同じ目線で目の当たりにしたのだった。、「ニッポンの春」でも始まったのか?度胸は人並み以上と自負していた私もその直情にたじたじ。結局は父親の腕力で喧嘩両成敗、泣き叫ぶもおばあちゃんの「ニワトリさんにバイバイしに行こう」の一言でケロッと涙が止まった。これまたその切り替わりに脱帽するが、何とか電車にも間に合い、めでたしめでたしだった。喧嘩も元気の素、二人ともあれだけ逞しければ苛められることもなかろう、身内びいきで思い出す度笑いたくなる。
こんな天真爛漫なひよっこ日本人がそのまま元気に伸び伸び生きていける社会にしたいなぁ。切に感じる2012年の年初めであった。
それにしても流石は母親だ。か弱い筈の彼女が、「いつものことなんですぅ。」と事件の最中、ビクともしなかったらしい。

人生まだまだ未熟だなぁと我感じる2012年の幕開けである。

8 件のコメント:

  1. 待ってましたァー!初エッセイ)^o^(

    もう読む程に楽しくて...タノシクテ♪♪
    4歳のおじょうちゃん達の元気な仕草
    声まで聞こえてきましたヨー

    お疲れさま~ 
    3人さまになり急に静かに寂しくなりましたァー?

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  2. 珍竹林さん
    初コメントありがとうございます!

    嵐どころかハリケーンが去った後みたいで
    シーンと静かになりました。
    でも可笑しな話をいっぱい作っていってくれたので、
    思い出しては大笑いを繰り返してます。

    それにしても叔母の存在がまだ分からない2人とって
    私はオトモダチ、ジャングルジムでいっしょに遊ぶのは
    ハードでしたぁ。

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  3. このピピチャン!なんて可愛らしいんでしょ!!
    何処製?
    この二つを姪っ子チャンにィ?
    それともどちらかを一つ?
    双子さんでしたら、おなじものでないと叉捕りあいが...
    (コレ読んで余計に)
    ふっと思ったんだけど...

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  4. 珍竹林さん
    これは3歳の誕生日に送った「ピピの弟」です。
    でもピピもこんな感じです。フランスのぬいぐるみは可愛いー!と思っていたら案の定Made in Chaina でした。
    実は写真の2人、フランスから1週間で双子に届くはずが
    世界中で道草食って3週間後、バースデー後に着いたんです。
    買主に似たのかしら・・・???

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  5. 今拡大してみたんヨー
    素材は?ピンクの方は、ベルベットかな~?お耳が違う布ね!
    とても綺麗な柔らかなピンクねー

    もう一方のブルーも良いワー 
    お目目の向き方が何とも言えないカワイイ!!

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  6. お久しぶりです!あ~姪御さんたちの様子、賑やかさが目に浮かびます。楽しいお正月でしたね。ピピおねえちゃん(オホ)

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  7. 珍竹林さん
    素材は覚えていませんが、フワフワ手触りのいいものでした。
    アクリルだと思いますが・・・。

    そうそう、微妙にずれてる目の向きがいいでしょ!
    ピピチャンは蜂でこれは蝶、私が送るものには何故か
    羽が生えたものばかりです。

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  8. みいちゃんさん
    あっという間のお正月でした。
    数ヶ月でも会う度大きくなるから面白いです。
    これからの成長が楽しみですが、そのうち
    「ピピちゃんのおねえちゃん」を略して
    「ピピ」ってなりそうな不安も・・・!

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