2013/03/20

ミケランジェロのエスプリ・バックと財布

春の陽気さにつられて、ふらりと入ったお店で思いもかけず財布を買ってしまった。ミケランジェロというブランドで、ニューオータニ博多に繋がるサンローゼの2Fに開店してまだ1ヶ月ほど、オンリーブランドとして東京を差し置いて博多にオープンしたのだとフレンドリーなお店の方が説明してくれた。通常は足を踏み入れることのないホテルに隣接した高級ブティックが並ぶサンローゼだが、意外と穴場である。私自身の年のせいか、建物が重ねた年月の重みかは分からないが、気張らずゆっくり落ち着いた雰囲気がいい。お店の方も急かせることなく、好きなだけ迷って下さい、といった感じで有り難い。品物をじっくり見る事が出来、あれこれ試しながら色々アドバイスもいただいた。自分であ~だ、こ~だと思っていても実際には外れるものだ。その意外さが楽しく、ついついお店に長居することになってしまったが、お蔭でとてもいい買い物が出来た。  「財布なんて買う気全然なかったのに・・・」
「縁でしょうね。人と同じように物との出会いも縁ですから。」


縁といえば、お店にいる間中、あちらこちらから愛らしい視線を感じた。デコレーションのように飾ってある人形達だ。ビビッドなバックに決して埋もれず、それぞれ個性的なファッションと大きな瞳でアピールしてくるのだから面白い。イタリアからやってきたお嬢さんたちだが、その存在感は流石シニョリーナだと感心してしまうほど。思わず連れて帰りたくなる。そう思うのは私だけではないようで、「一人じゃ寂しいでしょうからと2つ買い求められたお客様もいらっしゃったんですよ。」「えっ?デコレーションじゃないの?」
実は少し先にある系列店の商品らしく、購入することが出来るのだ。
「気が合う子がいたら連れて帰ってあげてください。私も今考えているところなんです。」
そう言っていたづらっぽく笑う彼女に抱かれた人形はその茶目っ気が彼女に似ていた。
「縁かな・・・。」

「また気軽に遊びに来てくださいね。」何だか友人の店を訪れたような気にさせられた。

春、毎年何かしらいつもと違うことを始めたくなる季節。新しい財布を手にする度楽しくなる今日この頃である。